純チタンクラウン生産強化のお知らせ

高騰が続くパラジウムに代わり(※1)、弊社ではチタンクラウンの生産を強化してまいります。現在価格ですと大臼歯だと約2・75g以上使用されると逆ザヤになる可能性があります。(※2) ・チタンクラウン特有の硬さを懸念される先生もいらっしゃるかと思いますが、データ上はパラジウムの硬さに近く、また実際に使われた先生方からも削り感覚はパラジウムに近いというお声を多数頂いております。(※3) ・その他保険では銀合金、CAD/CAM冠という選択もございますが、銀合金は金属の高騰、および硫化により黒くなるという性質があること、CAD/CAM冠は適用できない症例があることから、チタンの生産強化をしていきたいと考えご提案させていただきます。 <純チタンクラウンの適応対象及び保険点数>
適応対象 大臼歯(6番・7番・8番) 大臼歯の全部金属冠による歯冠修復に用いるものであること適応対象
保険点数 1.技術料/1,200点 2.材料料/66点 合計1,266点
<FMC大臼歯(金銀パラジウム合金、銀合金)※2021年4月>
保険点数 (金パラ) ※大臼歯 1.技術料/454点 2.材料料/938点 合計1,393点 ※金銀パラジウム合金1gにつき2,668円
保険点数 (銀合金) ※大臼歯 1.技術料/454点 2.材料料/52点 合計506点 ※銀合金1gにつき130円
また、下記により7月の改定は行われない事が予想されます。 https://www.ishiyaku.co.jp/shikashinryo/information/20210414_01.pdf 2021年4月14日 掲歯科用貴金属価格の随時改定IIについて(令和3年7月)をご確認下さい。 <パラジウム合金の価格(2021年6月)(※1)> ※フジデンタル株式会社HPより  税込み価格は平均102,613円 1g平均 3420円 現在価格でいうと 2.75g以上になると材料代赤字になる計算になります。(※2) <パラジウム高騰の背景> 1,パラジウムを触媒とするガソリンエンジン車と電気自動車の需要が増加 2,パラジウムは元々希少性が高いうえに、供給ソースは、ロシアと南アフリカ共和国の2カ国で、世界全体の約85%を占めています。 3,米国・ロシア間の政治的要因、米国がロシアに対して行った政治的制裁が、パラジウム産出に影響がある可能性があると言われています。 <純チタン冠の特徴>(※3) ・金パラ合金とほぼ同じ硬さです ・金パラと同じ、慣れたセメントをお使いいただけます ・産出国が特定でなく量も豊富なため、安定して供給でき、金属価格が安定しています ・金パラ他歯科用金属と同じクリアランス量ですナイフエッジで問題なく生Pにも安心です
引っ張り強さ(Mpa) 体力(Mpa) 伸び(%) ビッカース硬さ(Hv)
純チタン二種 340~510 >=215 >=23 160
金銀パラジウム合金 471~500 >=370 >=22 150
<純チタンの取り扱い方法> チタンは硬い・撤去が大変・火花が散る・熱くなるなどの意見がございます。チタンは金パラと硬さは同じですが粘るため、回転数を半分に落とし、遅めの回転でお取り扱い頂くと、金パラと変わらずに扱えます(※撤去時も同様) また、鉛のような物性を持つ純チタンには、荒めのバーの使用をお勧めしております。模型上ではなく、水に浸したワッテなどを冠の中に詰めていただくと、さらに効率が上がります。 以上、何か分からない点などございましたら弊社までご連絡をお願い致します。