この度、株式会社フジ・デンタルラボ(福井県越前市)は株式会社歯愛メディカル(東証JASDAQ 3540)に発行済株式の22.4%を2021年2月11日付で譲渡しまして関連会社となりましたのでお知らせ致します。
今回の資本業務提携により、両社が持つ販売先への共同開拓、歯科技工所の運営やノウハウの共有、CAD/CAM技工の共同開発を含む新たなビジネスの創生等、共に事業展開を進めていきます。
株式会社歯愛メディカルとの株式譲渡による資本業務提携についての考えと想い
歯科技工の未来は、皆様がそれぞれ考えている事と思います。
10人いれば10人違う問題を抱え、違う未来を描き、違う答えを導きだし突き進んでいきます。
そこに完全な正解は存在しません。今から先に起こる事が答えとなって来ます。
ですから、今から話す内容は
一地方の一中規模経営者の考えと捉えて頂き、寛容な気持ちでお聞き頂けたらありがたいです。
さて、歯科技工業界の未来を皆様はどのように考えているでしょうか。
高い離職率、従来の劣悪な環境から働き方改革により見直さなければいけない労働環境、女性歯科技工士の増加による働きやすい環境整備の必要性、歯科技工士の人材不足と高齢化、CAD/CAM・3Dプリンター・iOSなどデジタルの台頭、デジタルに伴う高額費用の設備投資、AIの今後の進化、人口減少による市場の縮小、依然猛威を振るう新型コロナウィルス感染症問題
等々、歯科技工士を取り巻く環境は常々変わっています。
その中で弊社として、未来への選択を行わなければいけません。
変わりつつある業界に対応していく為には、弊社も環境に応じて変化をしていかなければ生き残れませんし、勝ち残れません。
1,人材不足問題
歯科技工士免許の合格者は減少の一途を辿り、年間約800名近くとなっております。
その約800名は、日本の歯科技技工に従事する方ばかりではなく、歯科医師様のダブルライセンス、近年増加中の外国籍取得者、メーカーや他業界への就職等の方もいて実質はもっと少ないと思います。
また、歯科技工士の就労人数は50歳以上が半数を占めていると言われます。
そして、長時間労働低賃金が主な原因と言われている離職率の高さも、歯科技工士不足の原因の一つです。
このような状況もあり、弊社だけではなく歯科技工士が足りない状況になっています。
弊社も過去の反省から労働環境を整えてきましたが、約15年前、全国でいち早く歯科技工士専門学校が閉校になり、近隣学校も閉校となっている状況を考えると、今後の人材獲得は他の県よりも苦戦を強いられる事は容易に想像がつきます。
弊社の歯科技工士の平均年齢は約40歳、このまま推移すれば10年後には平均年齢約50歳になります。
後10年は技術、知識のある歯科技工士が支えてくれて安泰でも、人材獲得が出来なければ、その後の展開は厳しいものになって来る事は明白です。
また、地域歯科医療を支える観点でも、今後、地域に歯科技工所が無くなる事になりかねない事は危惧をしています。
我々歯科技工士の社会的意義の一つとして、地域の歯科技工を絶やしてはいけません。
最低でも一つの歯科技工者が地域に存在をして根付かなければいけないと思うのです。
そこで医療系通販最大手である株式会社歯愛メディカルの関連会社になり、労働環境の更なる改善、知名度の上昇を目指します。
弊社は雇用問題を最大の懸念事項と捉え、魅力のある会社としてPRを行い協力しながら人材確保に動きます。
2,技工を取り巻く環境変化の速さ-デジタル、AIの台頭、購入コストの増大-
弊社では2014年2月に本格的にCAD/CAM機を購入致しました。保険のCAD/CAM
冠が4月に保険搭載された年です。
デジタルが歯科技工に本格的に普及した6、7年は、過去では考えられない速さで環境が変わってきていると感じています。
そして今後もAIの進化を始めとしたデジタルによる環境変化は加速的に早くなって行く予想を立てています。新たな設備投資が必須な環境が考えられ、その設備投資額、買替サイクルは過去に比べ早く多くなっていく可能性も高いと考えています。
そして、菅総理大臣も言われていた、「合併などで中小企業を再編し規模を拡大することで経営の効率化や生産性の向上を図りたいという」発言は歯科技工業界にも当てはまると考えています。更なる効率化や生産性も今後考えていかなければいけません。
そこで人材交流、運営、今後の展開も含め、資本力・豊富な人材・最新鋭の設備を持つ株式会社歯愛メディカルと協力をして相乗効果を生み出し未来を作り出していきたいと考えています。
3,株式会社歯愛メディカル清水清人社長の存在
株式会社歯愛メディカルは2000年の1月に清水社長が設立をし、約20年で
急成長を遂げ、2020年度売上高、373億円企業へと成長致しました。
その躍進には、言うまでもありませんが、清水社長の「先生と患者さんに喜ばれたい」と
いう理念と壮大なビジョンそしてそれらを実現する行動力があったからだと思います。
私も清水社長と何回かお会いさせて頂き、お人柄もさることながら、ビジョンのスケールの大きさと柔軟な発想に感銘を受けました。
株式の一部譲渡を決断した最大の理由は次です。
【ワクワクした】
そんな事で…とお叱りを頂くのかも知れませんが、話をさせて頂くうちに考えられる未来を想像し、心が躍りだし弾みました。
もちろん、想定通りに行かず簡単ではない事の方が多いとは思いますが、
それでも最後は「心に従え」です。
資本業務提携の理由はその他にも色々ありますが、大きな理由は先述させて頂きました3点です。
最後に
弊社に取っては大きな決断であるこの資本業務提携が
お取引様の利益に繋げ、そして株式会社歯愛メディカルと弊社社員の利益に繋げる事をお約束した上で、私自身が楽しみながら仕事に邁進致します。
お目汚しの長文駄文失礼致しました。
株式会社フジ・デンタルラボは今まで以上に歯科業界に尽力を致します。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
株式会社 フジ・デンタルラボ
代表取締役
藤井 悠介